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* MILES DAVIS / ANTIBES JAZZ FESTIVAL 1973 (2CD)
2021 VOODOO DOWN Records 002 (VDD 2021-002)
Supervised by SO WHAT! Label.
Recorded Live at Anitbes Jazz Festival, La Pinede, Juan-les-Pins, France, July 20, 1973
24bit Digitally Remastering from "Band Recording" Tape.
Miles Davis - trumpet, organ
Dave Liebman - soprano and tenor saxophone, flute
Pete Cosey - guitar, percussion
Reggie Lucas - guitar
Michael Henderson - bass
Al Foster - drums
James Mtume Forman - conga, percussion
DISC 1
(First set)
1. TURNAROUNDPHRASE
2. TUNE IN 5
3. Untitled Original 730424c
4. ZIMBABWE
DISC 2
(Second set)
1. IFE
2. TUNE IN 5
2020年辺りからミラード・テープを筆頭に数々の発掘音源や、マスター或いは極めてマスターに近いロウ・ジェネレーション・マスターが出回り始めていますが、マイルスも例外ではありません。ただしマイルスに限っては“アップ・グレード”や“レストア”が謳われていても蓋を開けてみれば既存のものと同じか大差無いものであることがほとんどで、これらの山から真の宝を探し当てるのは至難の業です。その山に挑むのは、マイルス愛好家絶大の信頼を誇る“ソー・ワット”レーベル監修の元に発足し、第一弾『アンリリースド・ビッチェズ・ブリュー・セッションズ・プラス』で注目を集めている気鋭のマイルス専門新レーベル“ヴードゥー・ダウン・レコーズ”です。
今回第二弾として新規音源の山に挑み、掘り出したのは1973年フランスのアンティーブ・ジャズ・フェスティヴァル公演の音源。73年マイルス・バンドは来日公演でも圧巻のステージを披露しており、ピート・コージー、レジー・ルーカスのツイン・ギターとマイケル・ヘンダーソン、アル・フォスターのリズム隊が定着、75年『アガルタ』『パンゲア』の通称アガパン・バンドと同じ最強メンバー。この日の音源自体は初登場というわけではなく、むしろ演奏内容の素晴らしさが定評でした。今回は状態の良いマスターを発掘、更にそのマスターに“かなりの改良の余地あり”と可能性を見出したのです。まず、丁寧なイコライジングによりくぐもっていたヴェールを剥がし楽器の輪郭がくっきりわかるようになりました。しかし、今回のリマスタリングの一番の焦点は音像が左チャンネルに寄っていた点で、これでは音質が良くてもバンドのグルーヴが正面から伝わってこないのです。この難点を修正した事によりベースとドラムがセンターにどっしりと位置しかつて無い音圧で迫り、その上でリード楽器はステレオ感を保っているという最高の音質に生まれ変わったのです。イントロで若干チリチリノイズがありますが、その他可能な限りノイズも除去されています。既存のアイテムを大幅に上回る圧倒的過去最高音質、プレス盤。これぞ『1973年アンティーブ決定版』で間違いありません。
マスター音源について軽く触れておきます。一般的にはサウンドボードが喜ばれる傾向がありますが、ブート・ファンには周知の通りボード音源をはるかに凌駕する会心のオーディエンス音源というものが存在します。ミラード・テープなどもその一つ。しかしここに使用された音源は少し趣旨が違っていて、マイルス愛好家の中では“バンド・レコーディング”として有名なもの。つまりステージ上で録られているのです。ステージ上で録られたその迫力や筆舌に尽くしがたいもの。因みにこの音源はデイヴ・リーヴマンが自身の演奏の記録用に録音されたものであると言われています。
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